第5回 歯科医院経営最近の気付き
最近の私の気付きを報告させて頂きます。
1.設備投資とデジタル化
厚生労働省が推進する2011年を目処としたレセプト完全オンライン化に伴って、医療分野のデジタル化・IT化は急速に進んでいます。
デ ジタルパノラマレントゲンは新規開業歯科医院において導入するケースが多く普及率が上がり、インプラント治療ではCT、矯正治療ではセファロ、歯内治療や 歯周病治療ではマイクロスコープ、ほか虫歯診断器、口腔内電流測定器や色調分析器など歯科医院の機材の多くにデジタル化は進んでいます。
それに伴い歯科医院の設備投資額が高額になってきています。
2.設備投資には要注意
設備投資額が高額ということは、歯科医院の収益構造が従来より悪くなるということです。
設備投資を自己資金でまかなうことが出来る場合は問題ないのですが、自己資金が不足した場合のその不足分を金融機関などからの借入(かりいれと読みます)でまかなうことになります。
借り入れても投資に伴う借入返済をまかなう収入が得られればいいのですが、デジタル化によって各患者様からの診療収入がその投資額に見合う分増えるわけではないことに注意しなければなりません。
つまり、デジタル化により歯科医院の収益構造が従来より悪くなることはこのことからおわかりだと思います。
借入返済の長期化~固定費の増加~収益構造の悪化~目先利益の追求といった悪いスパイラルに陥ることになりかねませんので、ご注意いただきたいと思います。
3.スタッフを中心とした医院経営
スーパーバイザーとして医院経営のサポートしている中で、スタッフを中心とした医院づくりのために、
できるだけマニュアル化し、カリキュラムに組み込んでいきます。
医院経営に基準をつくり、できるかぎりマニュアル化します。マニュアル化したらつくって終わりにしないためにカリキュラムをつくり運用します。
同時にきちんと運用されているかのチェック体制を構築します。新人にはカリキュラムに基づいて教育します。
つまり医院経営をシステム化します。
システム化マニュアル化は院長の重要なマネジメントですが、構築できれば院長が関わらなくても問題がありませんし、逆にスタッフに任せて院長は関わらないことが成功のコツとなります。
そのためにはスタッフの中から幹部を育成し、歯科医院を組織化する必要があります。
4.事務長がいる歯科医院
私が開催させて頂いておりますスーパーバイザーセミナーに参加して頂き、契約させて頂いた顧問先様の事例です。
その顧問先様は分院を持っておられるのですが、分院長の分院マネジメントのために私を事務長に採用して頂きました。
外部から事務長を導入して(分)院長のマネジメントを補佐する。
この分院経営の考え方は、ひとつの歯科医院を経営するときの考え方と同じであると思います。
院長が自分ひとりで頑張る医院経営からスタッフや(外部)事務長を中心とした医院経営への転換が、これからの歯科医院経営のひとつのかたちではないでしょうか。
藤家得弘のスーパーバイザー日記
・H22. 4.23 第5回 歯科医院経営最近の気づき
・H21.10.27 第4回 患者様に自立してもらう歯科医院
・H21.10.13 第3回 経営は総合芸術
・H21. 8.25 第2回 昼休みチェアがベッドに変わる?!
・H21. 7.10 第1回 点数を下げる必要がある?