第6回 開業場所について一考
新規開業を考えておられる(歯科)医師の先生から、開業場所の選定についてのご相談をお受けすることがあります。
■ルート別開業場所選びとその特徴
開業場所を探す方法について、そのルートとその特徴について、さらに、開業場所選びのチェックポイントについて考えてみます。
開業場所の紹介ルートとしては、下記のようなルートがあります。
①材料卸業者の方からの紹介
②器材等の卸業者の方からの紹介
③建築(内装)業者の方からの紹介
④金融機関などの方からの紹介
⑤身内・親戚や知人などからの紹介
⑥勤務している院長からの紹介
①②③④の場合は、開業場所の紹介はサービスとして行われますが、この場合は玉石混合、雑多の情報があります。
それらの業者の方はビジネスとして見返り、つまり自社商品や製品(工事)の購入や利用(施工)を期待してのものです。人間としての義理人情をわきまえていたら、紹介してもらって、ほかから購入や利用(施工)はよほどのことがない限りしないでしょう。
⑤の身内や親戚の方からの紹介は、自分を含めて周囲に身内や親戚が住んでいて、患者として行くことができる、紹介できる。という思いや、言わば失敗してほしくないといった親心からのものといえます。それだけに貴重な情報が多いと言えます。
また、昔から住んでいてよく知っている、知らない場所で開業するより安心。患者さんもきてくれるという思いからでもあります。
確かに、地元や、縁のある場所での開業は歯科医院にとって強みとなることが多いのは間違いありません。
⑥の場合は院長が入手する情報は、開業を考えている先生に入ってくる情報に比べて、いい物件である場合が多いと思われます。
なぜなのか考えてみればわかるのですが、その医院に出入りしている材料卸業者の方は、
すでにその医院と取引関係にあり一定量の購入をしてもらっており、
また紹介をするということはその医院もそこそこの規模(つまり分院開設の可能性があるほどの規模)があり、
さらにそこの院長は 経験からいい物件かどうかを見る目を持っているため、
業者の方もその院長が興味を示すぐらいの物件でないと紹介できないためです。
勤務している院長と良好な関係を持っている先生は、そういった物件を院長から紹介してもらえることがあります。
■ショッピングモールの特徴
ショッ ピングモールなどの大型施設は集客力がありますから新規開業からの来院患者増加ペースは比較的早い傾向にあります。
デメリットとしては家賃が比較的高額になりがちであること、
またその施設自体が近隣に同様の施設ができたなどで集客力が減った場合は、
その影響を受ける可能性がおおいにあり、立ち上がりが早い反面、外的要因による患者の減少も考えなくてはならず、
開業後早い段階で愛顧患者を囲い込むことが必要となります。
歯科医院の場合は設備投資額が高額になるため、はやらないから場所を変える、というのは難しいことです。
開業場所の選定についてはそれだけ慎重にならならざるをえません。
税理士法人ネクサスは、医療を専門とした税理士法人です。開業場所について収支の面だけでなく、チェックポイントを先生と一緒に考えることができます。
開業相談があれば是非お気軽にご相談下さい。
藤家得弘のスーパーバイザー日記
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